公明党 中野区議会議員 小林ぜんいち 確かな政策!抜群の実現力!

議会発言

平成23年決算特別委員会 賛成討論 全文

10月19日

 ただいま上程されました認定第1号、平成22年度中野区一般会計歳入歳出決算について、公明党議員団の立場から賛成の討論を行います。
 平成22年度の一般会計決算における歳入総額は998億5,883万2千円で、昨年度比△70億9,142万7千円、6.6%の減少。歳出総額は981億4,667万7千円で、昨年度比△71億5,592万6千円、6.8%の減少となりました。
 平成22年度は景気後退による区民所得の減少が、特別区民税をはじめとする歳入に対し本格的に影響を及ぼし、特別区税、特別区交付金ともに減収となる一方、歳出面では義務的経費、特に扶助費の著しい増大が、区財政を圧迫する要因となりました。
 区民生活への大きな影響が懸念される中、予算執行方針に基づく歳出削減に努め、実質収支額は13億4,491万2千円と、昨年度から36%増で、前年度はマイナスに転じた単年度収支も3億5,774万9千円とプラスに転じました。平成18年度以降4年連続で低下していた実質収支比率は1.8%と、前年度より若干の回復を見せ、経常収支比率も88.4%と引き続き悪化はしたものの、23区全体が急激に落ち込んだ中で、中野区は踏みとどまったとも言えます。
 歳入では、平成17年度から増加を続けてきた特別区税は平成21年度に減少に転じ、2年連続の減収となったことから、特別区交付金の占める割合が年々増加してきています。しかし、特別区交付金も昨年度と比較し5億5千百万円余の減少となり、区がこれまで示してきた右肩上がりの「中・長期財政フレーム」について、厳しい見直しが求められるとともに、今後の区税収入をはじめとする歳入についての一層の確保策が必要です。
 事業の見直しによる歳出削減のみでは、機動的な区政運営を行うための基盤の確立は難しく、歳入面において区が定めた一般財源規模650億円の確保が課題となります。我が会派が総括質疑などで指摘してきた、特別区民税等の徴収率の向上はもちろんのこと、人口構造の変化のための施策や区有財産の新たな活用等、具体的な対策を講じることを強く求めます。
 一方歳出では、事業面をみると、厳しい局面の中での区民サービス向上が図られました。年末より徴収率向上を掲げ、特別区民税・都民税のコンビニエンスストア収納を開始、また本庁舎においてはフロアマネージャー配置等、総合案内業務の拡充を行い、利便性や区民へのきめこまやかなサービスの向上が図られました。
 子育て支援としては、待機児の解消に向け、区立保育室など施設の拡充により、保育定員の増が図られました。待機児童解消については、今後も引き続きの対策を求めます。
 また、子どもや女性の健康を守るため、ヒブワクチンの接種費用助成の開始、更には平成21年度に続き女性特有のがん検診のための無料クーポン配布を、区単独の事業として平成22年度も実施しました。
 高齢者、障害者等の施策としては、区独自の地域支え合い実現のための拠点として、第一歩となる中部すこやか福祉センターの開設、民間事業者の誘導による介護基盤の整備が図られました。
 教育の分野では特別支援学級の整備を図り、さらに都市の基盤整備としては野方駅舎整備や、区内街路灯のLED化が一層推進されました。
 そして長きにわたった交流の末、ソウル特別区陽川区と姉妹都市締結調印ができたことは、国際交流の発展に大きく寄与することとなりました。
 これらは、我が会派が強く求めてきた施策であり、その実現を高く評価するものです。ただし、都市整備費における全額未執行や、翌年度への繰り越しとなった事業については、調整と進行管理を十分に行い、適切に事業を執行すべきです。
 また、今後の課題となる、教育施設を始めとした老朽化施設の大規模修繕、改築・改修のための多額な経費に対応するため、資金の積み立てを計画的に行う必要があります。
 区を取り巻く環境は今後も厳しさを増すことは、必至であり、難しいかじ取りが迫られますが、区民サービスの低下を招かぬためのより一層の努力を期待します。
 なお、平成22年度決算について、監査委員から会計上の事務処理等、手続き上の問題点が指摘され、その解決を図るために今年度区が定めた「内部統制のしくみの再構築に係る基本方針」については、システムの見直しも含め早期に実施すべきであることを申し述べておきます。
 最後になりますが、平成22年度には、私たちにとって、忘れてはならない出来事がありました。3月11日に我が国を襲ったマグニチュード9.0という最大級の東北地方太平洋沖地震です。中野区の被災地に対する支援については、災害直後からのその迅速な対応を大いに評価するとともに、今後の支援についても引き続き全力を挙げていただきたいことを申し上げ、平成22年度決算に対する賛成の討論といたします。

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