公明党 中野区議会議員 小林ぜんいち 確かな政策!抜群の実現力!

議会発言

平成30年07月02日年第2回定例会一般質問〈質問の詳細〉

1.区長の施政方針説明について
初めに、施政方針説明について区長にお伺いをいたします。
 6月18日、大阪府北部を中心とした震度6弱の大地震が発生し、学校のブロック塀の倒壊や建物などの下敷きとなった4人の方がお亡くなりになりました。謹んで哀悼の意をあらわすとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 区長の施政方針を聞き、中野区民33万余の行政の長として、区民の先頭に立って安全・安心で区民の生命・財産を守り抜いていく責務・決意が欠落しており、今後10年、30年、その先を見据えた持続可能な中野区を築いていかなければならない今、ビジョン、方針が希薄で、残念な所信と受けとめました。

 川崎前副区長の御挨拶にもありましたが、東日本大震災のときには区内の被災状況の確認に始まって、帰宅困難者対策、救援物資輸送、電力不足や放射能問題への対応などが続き、被災地の支援に全力を、被災地の復興なくして日本の復興はないとの田中前区長の強い信念のもと、被災地支援に全庁を挙げて取り組んでこられました。被災当初の極めて困難な状況の中、今日まで現地で懸命に任務に当たっている職員の働きは中野区の誇りと感じます。
 私が平成26年から提案している感震ブレーカーの普及は評価をしますが、災害対策には帰宅困難者対策のほかにも、初期消火や避難所運営、罹災証明書の発行、河川や道路、がけ地対策、被災地相互支援など取り組むべき課題はたくさんあるはずです。初めに、災害に課題のある区の首長の責務として、本来、重要政策の柱である震災・防災対策をどのようにお考えかお伺いします。
 区長は、「多様な生き方や個性、価値観を受け入れることのできる地域社会を築き、区民の皆さんが将来にわたって暮らし続けていける中野のまちを実現するため、新たな基本構想を制定したい」と述べられましたが、基本構想の中身には触れられていません。これまで区は、将来を見据えた持続可能な行政運営、全員参加型の支え合うまちづくりが根幹にあり、その上で新たな時代に向けた区民サービスの充実、施策を打ち出してきました。これから少子高齢化社会を迎えるというとき、どの自治体も強い信念を持って持続可能な区政運営をし、支え合える社会を築いてこそ全ての区民や将来世代に安全と安心を確保していくことができると考えます。所信表明では、何をなぜ、どこをどう変えていかなければならないと考えているのか全く見えません。区長の考える区政運営上、重要と思われる基本構想の根幹理念についてお伺いします。
 私は、政策形成過程において職員の自由な議論もなく、区民合意もないと言わんばかりの発言には疑問を感じます。また、区民合意について、全ての事項に全員の合意が一致することはあり得ない。合意点を見極めつつ、最後は議会で判断していくという民主的な手続を踏んでいくということが重要と考えています。
 国連は2030年までに貧困に終止符を打ち、持続可能な未来を追求し、世界を変えるため、2015年に17の目標、SDGsを打ち出しました。これは、まさに持続可能な支え合う社会を築くための指標であり、私たち公明党はこの考えを推奨し、この目標理念を基礎とした政治を行うべきであると訴えています。一部自治体では、既にこのSDGsを基盤とした目標を立てながら施策を推進しています。我が会派は、基本構想にはこの考えと重なっている部分が多く、評価できるものと考えています。今後はSDGsの17の目標、すなわち人間の安全保障を反映した「誰一人取り残さない」という概念を根底に据え、これからも地球に住み続けられるように開発・発展していくためには何をなすべきか、世界を変える17の多岐にわたる目標になぞらえ、基礎自治体として施策発展を推進していくことが必要と考えます。区長のSDGsに基づく基本構想に対するお考えをお伺いします。
 中野駅周辺のまちづくりについて区長にお伺いします。区長選挙に当たって公約として示された項目のうち、「大規模開発のまちづくりの将来ビジョンを踏まえて、区民にとってメリットある開発を目指し、必要性を検討します」とおっしゃっています。区は、区内で中野駅周辺のまちづくりのほかに、西武新宿線連続立体交差化や周辺のまちづくり、弥生町や大和町の木造密集地域のまちづくりなどさまざまなまちづくりに取り組んできますが、いずれも大規模開発と言えるものかと思います。区長の大規模開発というのはどこの何を指しているのでしょうか、定義をお伺いします。
 まちの将来ビジョンとは何を指しているのでしょうか、お伺いします。選挙中にマスコミなどの報道により、まちづくりに関して大きく争点化され、一部では「サンプラザ再開発見直し」などと捉えた報道もありました。一方で区長の公約は、「新サンプラザを新たな中野のランドマークへ」という考えがあります。区役所とサンプラザを一体的に整備することは、ユニバーサルデザインを視野に入れた施設への既定路線であると思われますが、公約で掲げたお考えに間違いがないかお伺いします。
 次に、区役所・サンプラザ地区の再整備と新区役所の整備財源のことについて質問を予定しておりましたけれども、同僚議員と重複するため、ここは改めてお伺いをし、ここでは省かせていただきます。
 
2. 地域支えあい、地域包括ケアシステムについて
2番目に、地域支えあいと地域包括ケアシステムについて区長にお伺いします。
 中野区の超高齢社会の現実は加速的に迫っています。特に75歳以上の高齢者の増加が急速であることに着目すると、田中前区長が進めた、区民はもとより町会・自治会をはじめとする公益活動団体、民間事業者、関係機関、そして行政などが一体となって、地域における新たな生活や暮らしの価値観を共有すること、そしてその理念の根本は、一人ひとりにとって尊厳ある生き方の尊重と生活の豊かさを求めつつ、お互いに生活を認め合い、生かし合い、そして支え合う、共感力、実践力、活動力とも言うべきことではないでしょうか。また、誰もが当事者である、誰もが支え手であると同時に、やがては支えられる存在になるという現実を直視しながら、身近な地域の中にあって具体的なサービスをいざというときに受けられる、そのための地域包括ケアの仕組みが整えられていくべきと考えます。そこに全員参加型という区民全体の共通理念、区民同士が互いに共感・共鳴し合う新たな中野の地域包括ケアビジョンがあり、こうした区民共通の理念のもとに、高齢化社会をチャンスと捉え、新たな地域コミュニティを展望し、具体的に再構築してほしいと思います。地域包括ケアにかかわる施政方針には理念が感じられず、残念です。持続可能な社会を構築するため、地域包括ケアの理念についてお伺いします。
 次に、子ども版地域包括ケアシステム構築の取り組みについてお伺いします。
 区長は、「子育て世代に選ばれる中野区を目指してまいります」、「子育て世代に対するきめ細かいサービス、ケア体制を構築してまいります」と言っています。区は、区民の生活の向上を目指し、高齢の方だけでなく、障害のある方や子どもたち、子育て世帯など全ての人が住みなれた地域で暮らすことができる地域包括ケア体制の構築を目指してきましたが、内容や連携の充実が必要な状況にあると考えます。
 私たち公明党議員団では、例えば妊娠・出産・子育てのケアを具体的に提案し、田中前区長は産前・産後・子育てを切れ目なく応援しますと、妊娠・出産・子育てトータルケア事業として取り組んできました。子どもから高齢者まで同じような目線でコーディネートしていくことは、子育て支援の全体像が薄くなり、孤独な育児をされている方に本当の意味で支えにならないと考えます。子育て版地域包括ケアシステムを構築するためには、若い人たちが中野区で安心して子育てをしていただけるよう、目に見えて施設にかわる機能充実を区民に広く示し、現場の声が反映する体制をつくることが重要と思います。区の職員が地域の声や実情を踏まえながらコーディネート役を担うとともに、子どもの虐待の未然防止や養育支援など、子ども家庭支援の役割もしっかりと果たす。地域の力で子どもたちを育み、育てていける子育ての領域における地域包括ケアシステムの構築を進めていくことが重要と考えます。家庭で子育てをしている親子に対するケアを充実するためにも、ぜひ子ども版地域包括ケアシステムの構築を望みます。区長は、きめ細かなサービス、子ども版地域包括ケアシステムの構築について具体的にどのようにお考えでしょうかお伺いします。


3. 子育て支援について= 子育て安心No1!の中野を実現
 3番目に、子育て支援について区長にお伺いします。
 1点目に、保育園の待機児ゼロ推進と3歳児までの自宅での支援についてお伺いします。区長は、「子育て世帯にとって、子どもへの教育や支援サービスの質は、極めて重要です。特に公教育の充実は、自治体がしっかり取り組まなければなりません。全ての子どもの学びと育ちを支える区政への転換を進めます。保育園の待機児童対策については、さらに職員人員体制を強化するとともに、待機児童の多い地区を中心に保育園の新規開設を促進し、待機児童ゼロを目指します」と言っています。職員人員体制を強化とは、どこへどのように何人の人員をふやし、どのように強化を行うのでしょうかお伺いします。
 区は昨年、新たに待機児童の緊急対策として7園を開設しましたが、開設地域が偏在し、需要地域と合わず待機児童が出ました。マッチングを進めるとともに、遠方からの利用者には、中心駅などから送迎支援などを行ってはいかがでしょうか、お伺いします。
 保育サービスを利用している人たちには十分な公的支援が行われていますが、家庭で保育を行っている人には十分な公的支援が行われていません。税の恩恵に公平性がないと考えます。保育施設などを拡充するだけでなく、家庭で子育てをしている方々への負担感を解消するためにも、3歳児まで自宅で保育する方を支援し、安心して家庭で子育てができることが待機児童解消につながると考えます。区内どこでも使える応援券等で支援をしてはいかがでしょうか、お伺いします。
 2点目に、中野区版子ども宅食サービス事業についてお伺いします。生活困窮世帯の子どもが自宅でしっかり食事ができるよう支援する自治体やNPO法人などがふえてきました。地域の方々が行う子ども食堂の利用をためらう家庭もあり、新たに、自宅へ出向き食品を自宅に届ける取り組みや、調理ボランティアを各家庭に派遣する取り組みなどの支援があります。生活困窮家庭の子どもを対象に、フードバンク等を活用し、食品を配送するサービスや調理ボランティアを各家庭に派遣する取り組みについて見解をお伺いします。
 伺うことで家庭の見守りや困りごとの把握により、子どもとその家庭に必要な支援を行うきっかけにもなり、地域や社会から孤立を防ぐと考えます。地域の方々、民間事業者や支援団体などと区による一体となったきめ細やかな取り組みを始めてはいかがでしょうか、お伺いします。
 3点目に、区立小・中学校児童・生徒へ1人1台のタブレット端末支給と活用についてお伺いします。区では平成31年までに、区立小・中学校1校当たり40台のタブレット端末を全校に導入します。その効果的な活用を具体的に図っていくことが重要と考えますが、いかがお考えでしょうかお伺いします。
 区立小学校の高学年児童で84%、中学生で88%前後の生徒が携帯電話やスマートフォンを持つ時代となっています。そこで、中野区から世界で活躍できる人材を育成する新しい教育環境、ICT教育のためにも、家庭事情にかかわらずタブレット端末や学習ソフトなどを使い、いつでも、どこでも学習できる環境を整えるとともに、情報活用能力を身につけ、知識を使える人材の育成のためにも授業をはじめ日ごろから活用できるタブレット端末を児童・生徒1人1台支給、ICT教育の推進を図ってはいかがでしょうか、お伺いします。
 4点目に、いじめ・悩みごと相談にSNS、LINEの導入についてお伺いします。区では昨年4月から6月に、児童・生徒及び保護者に対してアンケート方式で、いじめ等、児童・生徒間の問題について現状を把握し、問題の未然防止と早期発見、早期対応を図ることを目的に調査を行い、今後の取り組みの体制の充実を行っていきました。自殺やネットトラブルなどの青少年の悩みに応じるため、一部自治体ではSNS、LINEを活用した相談を導入しています。最初に行った長野県では、それまでの電話・メールでの相談が1日平均1.8人だったことに対し、LINEで行ったところ112.7人と飛躍的に伸びました。子どもたちにとっては、電話よりも気軽にコミュニケーションがとれ、相談件数が増加するなど好評です。区では、いじめなどで困ったときの相談窓口は教育相談室をはじめ東京都や警察の電話や窓口を紹介しています。今後は、いじめ・悩みごと相談にSNS、LINEを活用した取り組みを導入してはいかがでしょうかお伺いします。
 5点目に、障害児も安心して通える保育と教育の充実についてお伺いします。医療的ケアが必要な子どもの対応について区は、居宅訪問型保育事業により、集団保育が難しい医療的ケアが必要な児童に対して保育士を派遣し、1対1の保育を開始しました。今後は保育所においても集団保育が可能な、医療的ケアの必要な乳幼児の受け入れを行えるよう体制整備を図っていくべきと考えます。御見解を伺います。
 6点目に、子どもたちの居場所と地域のコミュニティの場として新たな児童館の創出についてお伺いします。区長は、「児童館は、子育てにかかわる多世代が地域で交流する機能として必要と考えます。児童館の全廃についても見直し、区立保育園・区立幼稚園とともに一定程度存続させます。そして、中野における子育て環境がどうあるべきか、しっかりと全体像を定めて、それに必要な施設数や配置を考えてまいります」と述べております。しかし、聞くところによると、地元の北原児童館の存続を聞かれた際に、即答で「北原児童館は残しますよ」と言われたそうですね。児童館全体でなく、個別案件について議会での報告も議論もないうちから言い切ることは、区民どころか、議会をも軽視する発言ではないでしょうか。施政方針以前に児童館、保育園の存続の有無は決まっているのでしょうか。何をもって区長は即答したのでしょうか、お伺いします。
 この4月からU18プラザが閉館になり、上高田と城山の2館は子育てなどの施設に、中央は今年度中に解体された後、仲町保育園の新園舎建設の計画になっています。一定程度残すとは、解体と保育園の移転、民設民営化計画を取りやめ、児童館などとして存続するのでしょうか。地元では区長に直接話せば残るという声が聞こえ始めています。また、区長宛に要望書として自分たちの区立保育園は民設民営化をせず存続を。一方で、U18跡施設は民設民営で開設をと、理解しがたい要望が提出されているとも聞きます。区長は、こうした区民の混乱、不安、そして要望をどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
 区は、児童館を小学校区1館から、小学校に一つずつキッズ・プラザを設置し、子育てひろばを、さまざまな身近な施設とすこやか福祉センターなどを使いながら拡充してきました。子ども・子育てを中心とする地域包括ケアシステムの構築を考えていくとき、子どもたちを支える地域活動の民間事業を行う方々を支援し、行政との連携をさらに強化し、子どもたちの多様な活動の交流拠点としていくことが重要と考えます。民間の活力を生かし、地域と行政が、子ども版地域包括ケアシステム体制の中で、子どもから大人、高齢者まで、地域ぐるみで総力を挙げて子どもたちと家庭がつながる新たな支援、中野の子どもたちが中野で育ってよかった、中野をふるさとと思える新たな児童館を創設していくべきと考えます。御見解をお伺いいたします。


4. その他
 その他で、同性パートナーシップ制度について区長にお伺いします。
 中野区パートナーシップ宣誓の考え方について、田中前区長が、中野基本構想、中野区男女平等基本条例及び中野区ユニバーサルデザイン推進条例の理念に基づき、多様な生き方、個性や価値観を受け入れることができる地域社会を実現することを目指し、当事者の方々から御意見を聞きながら推進してきた施策です。全国七つの自治体が先進的に取り組んできた、いわゆるパートナーシップ制度は、中野区が実施することで8自治体、東京では3自治体となります。しかし、その内容は大きく二つに分かれています。世田谷区などでは、同居して共同生活を行うことを約束した同性パートナーが、パートナーシップにあることを宣誓し、宣誓書等を提出した場合、受領証を交付するという宣誓受領方式です。一方、渋谷区などでは、公正証書などの裏付け資料の確認までを要件としてパートナーシップ証明を交付する方式をとっています。公的な実効性としては渋谷区方式の方が高いと言えますが、広く普及の観点からは簡単に手続が行える世田谷方式がよいという方もいます。中野区では両方の選択ができる方式としたことで、これまで同性パートナーシップ制度を進めてきた他の自治体にはない先進的な制度になり、全国から注目されています。制度の実施に向け、意見交換会ではさまざまな意見が交わされたところです。区長はこの制度をどのように御認識され、今後どのように実施していくのでしょうか。また、ユニバーサルデザイン推進計画にどう位置付けて進めていくのでしょうか、あわせてお伺いします。
 区は、平成30年度、普及啓発冊子の作成、職員向けのガイドラインを作成するとしていますが、具体的にどのように推進していくのでしょうか、お伺いします。
 福岡県では昨年、おもてなしレインボーガイドブックを作成しました。これは、男は青で女はピンクなど固定的概念のサービスをなくし、トイレなどで必要以上に性別を問わないなど、LGBTの方々も快適に過ごせるまちづくりを進めるための配慮事項をまとめたガイドブックです。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、多様性を受け入れる中野のまちづくりを進めるため、観光、おもてなしの視点でLGBT支援ガイドブックを作成してはいかがでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 小林ぜんいち議員の質問にお答えいたします。
 まず最初に、施政方針説明の中の震災防災対策についてでございます。施政方針説明で述べたとおり、政府の地震調査研究推進本部は、首都直下地震の30年以内の発生確率を70%程度と発表しており、いつ起きてもおかしくない状況であることを認識しております。区内においては木造住宅密集地域を中心とした防災上の課題がある地域が多くあることから、大地震のみならず、風水害や各種の災害発生時には災害対策本部長として先頭に立ち、災害対策のあらゆる施策を通して防災関係機関等との連携を図り、区民の生命、身体及び財産を震災等から保護し、その安全を確保するとともに発災後の区民生活の再建及び安定並びに都市の復興を図るため、全身全霊でその責務を担う所存でございます。
 次に、区政運営上の根幹理念でございます。区政運営の基本理念としては、子育て第一の地域社会の構築、支援を必要とする全ての区民を対象とした地域包括ケアシステムの構築、多様な個性と価値観を認める地域社会づくり、活力ある安全・安心のまちづくりなどの取り組みにより、区民の皆さんが将来にわたって安心して暮らし続けていける中野のまちをつくっていくことでございます。区民の皆さんの意見を聞き、それを施策に反映させるボトムアップ型の区政運営をしてまいりたいと考えております。
 次に、持続可能な区政運営でございます。国においてはSDGs推進本部が設置され、アクションプランにより持続可能で強靭、そして誰一人取り残さない経済・社会・環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指すというビジョンが掲げられております。このようなSDGsの目標項目を参考としながら区の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、大規模開発等の定義についてでございます。公約で掲げた大規模開発は、区民の生活に影響のある大規模な都市開発事業のことであり、中野駅周辺のまちづくりのほか、西武新宿線沿線のまちづくりなどを指しております。まちの将来ビジョンは、主に都市開発に係るビジョンとして掲げたものであり、東京都が策定した都市づくりグランドデザインや中野区全域の都市計画の考え方である中野区都市計画マスタープラン、中野駅周辺では中野駅周辺まちづくりグランドデザイン、また、地区ごとに策定しているまちづくりの方針などに描かれた将来像のことを指しております。
 次に、公約に掲げた事項についてということで、新サンプラザを新たな中野のランドマークへという公約で掲げた事項については、現在の中野サンプラザ自体がランドマークとなっているように、区役所サンプラザ地区における新施設は、区民の愛着のあった中野サンプラザのイメージを引き継ぎ、将来にわたってランドマークとなっていることを目指すことを表現したものでございます。
 次に、再整備や関連する事業の進捗についてでございます。区役所サンプラザ地区の再整備については、改めて区民の声を聞き、今後のあり方について議論したいと考えております。新区役所整備や中野駅西口改札、新北口駅前広場など関連する事業の工程と整合を図りながら適切に判断して進めてまいりたいと考えております。
 次に、地域包括ケアシステムの理念についてでございます。中野区地域包括ケアシステム推進プランでは、見守り、支え合いや介護予防、在宅療養・介護連携など自助、互助、共助、公助の目標とするまちの姿を描いております。住みなれた地域で公私の多様なサービスが一体的に提供され、互いに支え、支えられる社会をつくるには全員参加の地域づくりが必要であると考えております。こうした目標を、区民及び関係団体と区が共通理解し、互いに連携しながら安心して地域で暮らし続けられるまちを実現することが地域包括ケアの理念と考えております。
 次に、子ども版地域包括ケアシステム構築の取り組みでございます。子ども版の地域包括ケアシステムには、産前産後支援など、妊娠期から子育て期までのトータルなサポート体制の構築が必要となると考えております。児童館機能の見直しや地域の子ども育成活動団体との連携などを重視しながら、虐待の予防、それから子どもの健やかな育ちを見守る地域づくりを行ってまいります。
 次に、待機児童対策の人員体制強化についてでございます。待機児童解消に向けて、保育園の入園相談担当や運営を支援する担当のほか、幼児施設整備に係る人員の強化が必要であると考えております。今後、具体的な体制等の検討を進め、必要な人員体制の強化を行ってまいります。
 次に、区立保育室、7施設の整備についてでございます。昨年度、待機児童緊急対策として区立保育室、7施設を整備したところでございますが、平成30年4月1日時点で定員に空きが見られたことから、待機児童が多い南部地域から、特に定員に空きが多い区立保育室、2施設と最寄り駅を巡回する送迎バス等の運行を検討いたしました。検討に当たって中央線より南側地域において、4月1日時点で待機児童となっている保護者342人に対し、郵送によるアンケート調査を行い、174人から回答を得ました。回答率は約50%程度ですが、想定した施設の利用を希望すると回答した方は、複数回答でありますが、3人でございました。利用を希望しない主な理由としては、遠くて時間がかかる、通勤経路外、子どもの急なお迎え等に使えない等でございました。この結果から送迎バス等について導入を見合わせているところでございます。
 区立保育室については利用率が上がってきており、年度途中に復職や転入される方の受け皿になると考えていることから、引き続き窓口、ホームページ等において施設の紹介に努め、利用の促進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、子育て応援券などについてでございます。区では、安心して子育てができるまちを目指し、全ての子育て家庭が個々の事情に応じて必要なサービスを受けられるよう、さまざまな取り組みを進めております。自宅で保育する方への支援策としては、一時保育やショートステイサービス等を実施しているところでございます。また、産前産後の支援の一環で、すこやかセンターでは、妊娠・出産・子育て期の支援プランを策定した妊婦の方に、妊娠子育て応援ギフト券を配布しているところであります。既存サービスの利用促進を図る中でよりよいあり方を探ってまいります。
 次に、子ども宅食サービスについての御質問がございました。食事を含めて子どもの養育に課題のある家庭については、関係機関の見守りや相談支援等を通じて把握し、養育支援ヘルパー派遣等の育児支援の取り組みを進めているところでございます。食材を届ける等の支援については、子どもの生活実態調査の結果を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
 そして、地域・民間・区の一体的な取り組みについての御質問でございます。宅食サービス事業に限らず、地域の子育て支援や見守り支え合いについては、地域や民間団体と区が協同することは非常に大切と考えております。新たな子育てサービスの展開を行う際は、その視点を大切に検討してまいります。
 次に、医療的ケアが必要な児童の受け入れについてでございます。集団保育が可能で、経管栄養や喀痰吸引など主治医から医療的ケアの指示がある児童の受け入れについては、区立保育園においてケアを行う専用スペース、専任看護師、専任保育士の確保等について調整しているところでございます。また、医療的ケアを適正に行うために設置する審査会や受け入れに関する判断基準等について、中野区医師会と協議しているところでございます。準備が整い次第、事業を開始いたします。
 次に、児童館・保育園の存続についてでございます。児童館、区立保育園、区立幼稚園については、施政方針説明で申し上げたとおり中野における子育て環境の全体像をしっかりと描いた上で、今後、必要な施設や配置を考えていくこととしております。
 次に、U18中央と仲町保育園の民営化についてでございます。仲町保育園の周辺地域は、区内の他の地域と比べて待機児童が多いことから、U18プラザ跡地に仲町保育園の新園舎を建設した後に、現在の仲町保育園の跡地にも保育園を建てるという2園展開の計画として、既に事業者募集を始めたところでございます。保育園の民営化をやめるのかということについては、現在進められている個別の計画の見直しにより、職員の採用や財政負担などの区の後年度負担やさまざまな影響が想定されることから、慎重に検討すべきものと考えております。誤解を招いていることについては丁寧な説明、適切な情報提供に努めてまいります。
 次に、民間活力を生かした新たな児童館の創出についての御質問でございます。今後、児童や子育てなどに係る現状や課題に応じた機能や役割について整理するとともに、あるべき姿を定めた上で必要な施設や配置を考えてまいります。子ども版の地域包括ケアシステムの構築の観点からは、地域の育成活動団体や民間事業者との連携も重要であり、このことも踏まえてあり方を検討してまいります。
 次に、パートナー宣誓の実施及びユニバーサルデザイン推進計画での位置付けについての御質問でございます。現在、このパートナーシップ宣誓について、制度は8月からの実施に向けて準備を進めております。本定例会で実施について報告を予定しているところでございます。ユニバーサルデザイン推進計画については現在検討中でございます。パートナーシップ宣誓などLGBTの方への理解促進等の取り組みについては、計画の中に位置付けていく考えでございます。
 最後に、普及啓発冊子、職員向けガイドライン、LGBT支援ガイドブックの作成についてでございます。ユニバーサルデザイン推進のための区民向け普及啓発冊子や職員向けガイドラインの作成については、来年3月に完成を予定しております。いずれも区民、事業者、そして区の職員が日常の生活や業務の中で気づいたり、考えたり、行動したりするヒントとなる事例などを具体的に紹介できるものとなるよう工夫してまいります。区民向け普及啓発冊子の中で、LGBTへの理解促進の視点を盛り込んでまいります。
〔教育委員会事務局次長戸辺眞登壇〕
○教育委員会事務局次長(戸辺眞) 私からは、子育て支援について、まず、タブレットの効果的な活用及び区立小・中学校全校児童・生徒への1人1台ずつのタブレット端末の支給についてお答えいたします。
 タブレット端末の効果的活用を含むICT教育の推進につきましては、電子黒板やタブレット端末の配備というハード面はもちろん、ICT機器を活用した事業をいかに工夫していくかというソフト面での充実が重要であると認識してございます。教育委員会では教員のICT活用能力や授業力を向上させるため、ICT研修や学校教育向上事業におけます研究校の支援に取り組んでいるところでございます。
 また、児童・生徒1人1台のタブレット端末の配備につきましては、場所を選ばず学習に活用できるという利点がある一方、機器の管理や使用ルールの徹底が難しいなどの課題も挙げられているところでございます。今後、区内小・中学校のタブレット端末を活用した事業展開の状況を効果検証するとともに、先行して実施している自治体の実績や課題を研究し、導入については慎重に検討していくこととしてございます。
 次に、いじめ、悩み相談のためのLINEアプリの導入についてでございます。子どもたちのいじめ等の相談につきましては、現在、いじめ対応担当の教員やスクールカウンセラーを中心とした相談体制を構築するとともに、子ども110番や東京都教育相談センターが行っております電話相談などさまざまな方法で取り組んでいるところでございます。
 SNSアプリを活用した相談につきましても、匿名性が高く手軽に、気軽にアクセスできるなどという利点もありますけれども、その場限りになってしまい継続的な相談につながりにくいことや、虚偽の報告で新たなトラブルが起こる等の課題も指摘されているところでございます。SNSアプリを導入する場合は、いかに継続的な相談や一人ひとりに応じた対応につなげていくのか、その仕組みを工夫していくことが重要でございます。今後は、東京都や既に取り組んでいる自治体の実績や課題を参考に検討してまいります。

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