平成24年第3回定例会一般質問〈質問の詳細〉
1、震災・防災対策について
中野の安全で安心なまちづくりのために、震災・防災対策についてお伺いいたします。
初めに、避難可能施設の導入についてお伺いいたします。
昨年の3.11大震災から1年半が過ぎました。災害対策基本法の規定に基づき、国が、そして東京都が地域防災計画の見直しを行い、中野区でも地域防災計画の見直しが進められています。
9月2日、私は区立第十中学校で行われた中野区総合防災訓練に参加しました。町会の方と防災広場に集まり、十中へ向かうのですが、徒歩で約20分かかりました。実際にはもっと時間がかかると思います。山手通りを渡る際には、信号で一度に全員が渡り切れず、町会の方々がばらばらになってしまいました。そこで私は、これまで事務所、マンション等の民間建物を防災拠点にと提案してまいりました。具体的に動き出す時が来ていると考えます。
東京都地域防災計画によりますと、事業所の役割として、帰宅困難者対策は従業員等が事業所内に待機できるよう、3日分の必要な水、食料、毛布などの物資の備蓄に努めるよう防災強化を求めています。また、帰宅困難者・中間報告には、一時滞在施設、ステーション機能をつくるよう求めています。
中野区の避難者数は、4月の東京都の被害想定の見直しで7万6,807人と想定されました。区は今、都に先立って具体的に手をつけていけるところから始めるべきと考えます。
港区では、防災対策基本条例において、災害の規模その他の状況により、避難所の使用が困難な場合に備え、区長は事業者等と連携を図りながら協力を得て、避難所の機能を一時的に代替する施設を確保するよう努める旨が規定されています。
中野区においても、災害の状況によっては現在の避難所だけでは不十分となることも想定されることから、港区のような例を踏まえ、一定規模以上の施設を建設する事業者に対し、避難所の機能を一時代替したり、避難所に向かうことや過ごすことが困難な区民が一時滞在する機能を建物内に確保することを求めてはいかがでしょうか。これからできるであろう施設に受け入れ一時滞在施設、避難代替施設の設置を義務化、条例化してはいかがでしょうか。
国は、防災意識の高まりから防災部分へインセンティブを与えるため、防災備蓄倉庫、蓄電池、自家発電、貯水槽の一部を延べ床面積から不算入とする建築基準法施行令の改正を先日9月20日に施行いたしました。中野区の防災対策を進めるため、民間の活力を利用し、区でできることとして、中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例に区独自のインセンティブを加え、条例改正をしてはいかがでしょうか。
今年3月25日、中野区障害者防災委員会が企画したシンポジウム「東日本大震災から1年 ~障害者へのアンケートから学ぶ~」で、障害者各団体からの方々も、私たちの施設も避難所にしてほしいとの声がありました。障害者施設、老人福祉施設などが入る区有施設を中野区地域防災計画で定める避難所とは異なる福祉避難施設にしてはいかがでしょうか。避難所には災害時要援護者の方々に専門性の高い職員等が対応する体制を整えてはいかがでしょうか。災害時に環境の変化に対し、特に体調を崩しやすい妊婦さんや乳幼児を救護・収容できる妊婦専用避難施設を設けてはいかがでしょうか。また、これまで二次避難所としていない区立保育園、私立保育園と災害にかかわる協議、協定締結をしてはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
次に、消火栓、排水栓へ接続できる給水及び初期消火用スタンドパイプの導入・活用についてお伺いいたします。
私は第1回定例会で、軽可搬ポンプにかわる新たな資機材、スタンドパイプの導入を提案してきました。スタンドパイプは、消火栓、排水栓に接続し、すぐに水を出すことができる、初期消火に大きく役立つ資機材です。価格も軽可搬ポンプに比べ5分の1程度と安く、女性でも取り扱いが容易な利点もあります。現在、消防署では防災訓練の折、スタンドパイプを使って消火栓から取水し、消防団や町会の方に消火活動ができるよう使い方の訓練もあわせて行っています。また、スタンドパイプは給水管の断水、切断のない限り、応急給水にも活用できます。区は消火栓、排水栓へ接続できるスタンドパイプの導入と活用に向け、東京都、消防庁とも連携の上、具体的な検討をしてはいかがでしょうか。
東京消防庁と水道局は今年5月、水道管の排水栓を木造密集地域で地域住民が震災時等の初期消火に利用できるよう決めました。排水栓は水道管の端の部分に取りつけられ、細い路地の行きどまりに設置されていることが多い。構造は消火栓とほぼ同じ。道路幅が狭く消火栓を設置できない木密地域の初期消火に活用が可能です。排水栓のうち、そのまま消火栓として利用できる箇所を自主防災組織が初期消火に使えるよう整備するとのことです。区内には簡易排水栓が209カ所、排水栓が6カ所あり、今後この口径がスタンドパイプに合うよう整備も進められるとのことです。
このようなことから、木密地域・先行モデル地区への地域防災会、防災倉庫へスタンドパイプを導入し、活用すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
次に、避難所の非構造部材の耐震対策についてお伺いいたします。
現在進められている学校の耐震化工事は、学校施設とともに避難所施設としても最重要課題です。しかし、昨年の3.11大震災の折には、柱や壁など構造体の損傷だけではなく、天井材や照明器具カバーが落下した事故が都内でも発生しています。特に天井の高い体育館、ホールなどでは被害も大きくなりました。そこで、避難所施設となる区内学校などの天井や照明器具、窓ガラスなどのいわゆる非構造部材を3.11以降、耐震対策として専門の技術を持った方などによる点検は行ったのでしょうか。大事な未来の宝である児童・生徒の皆さんだけではなく、多くの避難者が集まる学校などで事故が起きてからではなく、防災、減災のためにも点検、震災対策を積極的に進めるべきではないでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。
2、建築行政について
建築行政についてお伺いいたします。
初めに、まちなみ誘導型地区計画の導入へ向けてお伺いいたします。
私はかねてより、中野の環境とまちづくりのために、また中野らしいまちなみの整ったまちづくりを進めていくことがこれからの中野に必要と求めてまいりました。区内で用途地域が商業地域や近隣商業地域であるにもかかわらず、建てかえに当たって建築基準法の規制がかえって厳しく、既存建築物よりも小さな規模の建物しか建たないケースがあります。例えば中野駅南口五差路付近には、容積率600%の地域でありながら、道路条件が悪く、敷地の前面道路が12メートル未満であることから、道路幅員による容積の制限、また特定道路からの距離による制限の緩和も受けることができない場所があります。また、南台や弥生町には建てかえに当たり耐火建築物への助成金が受けられる制度があるにもかかわらず、北側斜線や道路斜線制限のため、建てかえると既存建物よりも規模が小さくなり、メリットがないと思われている方がいらっしゃいます。このような斜線制限などネックとなる課題を、インセンティブを付与するなど活用しやすく改善してはいかがでしょうか。
区域を限って敷地面積の最低限度を定めた内容に適合した場合、前面道路幅員による容積率制限の適用除外や斜線制限の適用除外など、緩和措置が盛り込まれた中央区にもあるまちなみ誘導地区計画など、中野でも導入することを検討してはいかがでしょうか。これには民間建主、事業主などの民間活力を生かすことが必要であると思います。地域の活性化が促進するよう、建築行政面で寄与すべきではないでしょうか。
また、空中権の移転、例えば東京駅周辺のように他の地域では使えない空中権、容積率などを中野駅周辺などで民間活力を利用し、中野らしく活用してはいかがでしょうか。財政の活性化にも大きくつながると思います。具体的に検討してはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
次に、耐震診断後の工事トラブル未然防止対策についてお伺いいたします。
昨年の大震災の後、耐震診断の区への依頼が、例えば木造住宅の簡易診断については、一昨年、平成22年度には65件、昨年、平成23年度は225件、そして今年度は4月からの5カ月間で既に約200件と大きく増加していると聞きます。私が区民の方から受ける御相談で、リフォームをはじめ、耐震診断後の耐震補強工事にかかわるトラブルが特に多くあります。区民の多くはリフォームなどの依頼の仕方がわからず、多額の費用が発生する施工者などを見きわめることさえできません。施工者から詳しい工事内容や工期、工事金額などの説明がなく、工事の契約もせず、でき上がってから、思っていたようにできていないとトラブルになっています。悪質性のある業者は区外施工者に多いようです。トラブルを減らすためにその業者対策をつくり、悪質な業者は名前を公表するなどしてはいかがでしょうか。また、耐震工事利用者には工事業者の案内、正しい施工方法、工事監理方法などの案内用紙を添付し、注意喚起を促す対策も必要と思います。
耐震改修施工者をホームページ、区報などで周知徹底するよう努めてはいかがでしょうか。また、耐震改修施工者については優良企業推奨マークを設けるなど、制度化してはいかがでしょうか。区にもリフォーム等に関する窓口を兼務でも創設すべきではないでしょうか。また、公益法人等の専門家団体を案内するなど、具体的な対策をとってはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
次に、木造密集地域、木密地域不燃化10年プロジェクトについてお伺いいたします。
このたび8月31日の東京都発表、木密地域不燃化10年プロジェクト、不燃化特区先行実施地区に弥生町三丁目周辺地区が決定を受けました。木密解消への一歩として大きく期待しています。私は昨年12月、第4回定例会と今年第1回定例会で、東京都の木密地域不燃化10年プロジェクト、木密地域を解消するために手厚い支援で住民に建てかえを促す不燃化特区制度の先行実施地区への応募を提案してきました。我が会派のやながわ幹事長、自由民主党の市川幹事長からも同様の質問がありました。
弥生町は東京都の防災都市づくり推進計画の重点整備地域に指定されており、中野区は今年3月、災害時に十分な避難路確保と安全なまちにするため協力し合う木密地域の整備、弥生町地域まちづくりに関する協定を、UR(都市再生機構)と締結しました。区は弥生町三丁目周辺まちづくりに当たり、UR(都市再生機構)や民間事業者の参画を得ることによって何が具体的にでき、進めることができるのでしょうか。今後、弥生町三丁目周辺の整備プログラムを作成するに当たって、地元の皆さんの意見を踏まえながら進めていくことが大事と思います。区の考えはいかがでしょうか。東京都からの特区を活用し、規制緩和、税制優遇措置、都有地の活用など、民間の力もかりて不燃化のさらなる推進を図っていくことが大事と思います。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。
3、就労支援事業について
就労支援事業についてお伺いいたします。
初めに、生活保護受給者の就労支援についてお伺いいたします。
現在、病気や経済的な理由などにより、今のままでは生活を続けていくことが困難な方々が毎年増加しています。中野区での生活保護費はおよそ142億円、ここ数年は毎年ほぼ10億円ふえており、国からの受託事務とはいえ、区の財政負担の大きさを考えると、区として対策を強化しなければならない喫緊の課題だと考えます。
埼玉県では、民間企業で働いた経験を持つ支援員が就業訓練から再就職まで支援する制度を確立し、平成23年度、約2億5,500万円の事業費で就労支援員を43人設け、就職した方が618人、生活保護廃止が96人、その結果、生活支援費を約4億3,000万円削減することができました。また、横浜市では平成23年度に約2億円の事業費で就労支援専門員を48人設け、就職した方が1,969人、生活保護廃止が519人、その結果、生活支援費を約8億5,000万円削減することができました。
中野区では、今年2月から中野区役所2階、生活援護の相談窓口隣にハローワークの窓口を設置し、「福祉から就労」のスローガンのもと、迅速な就労支援を実現したことはすばらしいことと評価いたします。長く就職していなかった方、就職をしてくることができなかった方々には、就労への不安や戸惑いがあります。そこで2月から今月まで、就労支援の成果についてお伺いいたします。
また、区にも就労支援員が配置されていると聞きますが、どのような職員がどのような業務を行っているのでしょうか。御見解をお伺いいたします。
次に、就労意欲喚起事業の創設についてお伺いいたします。
生活保護受給者と一口に言っても、当然のことながらその状況はさまざまです。中には長期離職者、高齢者、障害者、稼働世帯と言われる若い世代、ひとり親、再就職を目指す女性、引きこもりがちな人、何らかの精神疾患を抱えて就労が難しい人など、お一人おひとり違った事情があると思います。また、受け皿の少ない発達障害などによる方々、お一人おひとりの幸福を願い、社会の中でどう支援していくか。早期発見とともに早期支援も求められています。
こうした中でハローワークにつなぎ、一定期間のうちに就職ができる人はよいのですが、なかなか難しいケースもあります。むしろ、そのような方のほうが多いのではないかと思います。そのような方には中間的就労や福祉的就労などを紹介し、徐々に一般的な就労につなげていくよう支援が必要と思います。また、中には就労により生活を安定させていきたいと考えていらっしゃる方もいます。ハローワークとの一体的な就労支援が軌道に乗って成果が出てきた現状を踏まえ、さらに踏み込んでお一人おひとりの課題に合った就労意欲を喚起するような支援を重層的に展開すべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
次に、就労支援を促進する体制の整備についてお伺いいたします。
お一人おひとりの課題に合った就労意欲を喚起するような支援を重層的に展開していくために、さまざまな分野、領域からの総合的なサポートが必要となってくると思います。
大阪府豊中市では「パーソナル・サポート」を、内閣府と厚生労働省のモデル事業として三つの取り組みを行いました。一つは、地域就労支援等の地域における雇用・就労支援の取り組み、二つに、市が担当する事業の就労支援、三つに、社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーの取り組みです。その上で地域就労支援センターを設け、就労の支援をしています。体制として、就労相談員をはじめ発達障害支援員、看護師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、企業開拓員などがチームをつくり、応援体制をとっています。
そのほか新潟県三条市では「子ども・若者サポートシステム」で、関係するすべての部署がお互いに情報交換を行いながら、お一人おひとりをサポートしていくシステムを設けています。
また、足立区では引きこもり対策として就労支援課を設け、取り組んでいます。
中野区でも、就労訓練から再就職までを一貫して支援する就労支援の専門員を設ける制度を確立し、就労をふやす方策をとってはいかがでしょうか。そのためにも生活援護分野、産業・都市振興分野などかかわりのある分野の窓口をできるだけ一本化し、情報の交換などを行う、庁内における就労支援のバックアップ体制を整える必要があるのではないでしょうか。また、社会福祉協議会、シルバー人材センターなどと体制を組み、就労支援を充実させてはいかがでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。
4、地域支えあいの推進について
地域支えあいの推進についてお伺いいたします。
初めに、見守り対象者名簿、要援護者名簿の活用についてお伺いいたします。
先日9月17日は「敬老の日」。地域では敬老会などが開かれましたが、参加者は決して多くありませんでした。それは地域でのかかわり合いが少なくなってきたことなどとあわせ、さまざまな理由で、他の方に私を知られたくないと考える方々もいらっしゃいます。区では、地域で地域の高齢者を支えていこうと、中野区地域支えあい活動の推進に関する条例をつくり、町会・自治会に見守り対象者名簿を提供しています。現在までに区内110の町会・自治会のうち34町会と、約3割の町会が名簿を受け取り、その活用を始めました。また町会・自治会では、地域防災会に提供される非常災害時救援希望登録制度に基づく要援護者名簿も受け取っています。これら二つの名簿があることと、町会で支えていく範囲と区の行う範囲が不明確であり、私たちはどの部分をどのようにしたらよいのかと、戸惑いの声をお聞きします。
それぞれの名簿がお互いに生かされるよう、活用方法を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、町会・自治会と区が行う範囲や連携についてお互いに再度確認し、活用を進めるべきではないでしょうか。御見解をお伺いいたします。
次に、町会・自治会の名簿活用についてお伺いいたします。
見守り対象者名簿の提供を希望すべきかと、まだ検討されている町会・自治会も多いと思います。ある町会では、早速名簿から地図にお宅をマークし、担当する班長さんが日ごろから見守るため、例えば回覧板や敬老会など地域の催しの御案内と、欠席された場合には品物をお届けするなどお宅訪問し、見守りを行っています。
一方、ある町会では、名簿を受け取ってみたものの、見守り効果が発揮できるようにするために検討会や学習会を持とうと思うが、なかなか進まないとおっしゃる方もいます。地域の見守りといっても、さまざまな日ごろからの活動が必要であり、やり方によっては多くの労力を必要とします。
そこで、これまで名簿提供を受け、活用している町会・自治会でのさまざまな工夫や活動事例を紹介する場を持ってはいかがでしょうか。また、まだ見守り対象者名簿を受け取っていない、または受け取りを検討されている町会・自治会の方々にも参考となり、活用が進むよう、情報共有の機会を持つべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
次に、町会・自治会支援へ向けて、区の体制強化についてお伺いいたします。
地域では、支援を必要とする方々に対し、町会・自治会とのつながりや人間関係など、その方を取り巻く環境に考慮した支援が行えるよう、専門的な知識のある方が必要になってきています。支援方法は、地域を基盤とする活動やサービスを調整し、支援を必要とする人に結びつけることなど、制度を活用して連携していくこともあります。
中野区は区内を4圏域に分け、すこやか福祉センターを設けています。4圏域には、例えば再任用された行政のプロ中のプロの皆さんがいます。これからは福祉のプロになって、今までのキャリアを地域で生かしてほしいと思います。
保健師さんや福祉の専門家の方もいますが、例えばこの方々に専門職の一つとして、コミュニティソーシャルワーカーなどを取得し、地域支えあいの中心になるよう推進してはいかがでしょうか。見守り・支えあい本来のあり方は、顔が見えるよう地域に出て現実と向き合って進めていく。そして、すべての人を見守り・支えていくことは、力ある人、再任用された方などが地域でそのノウハウを生かし、リードし推進していくことと思います。
町会・自治会で見守り対象者名簿の活用のためにも、さらに区の支援体制を強化していくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。
5、その他
その他は1件です。
中野区独自の原動機付自転車ナンバープレート交付についてお伺いいたします。
中野区が今、注目を集めています。それは四季の都市(まち)をはじめ北口のさまざまな整備が進み、これから大勢の方々が中野へやってくる。世界の観光客からも、中野へ行ってみたいと言われています。観光協会の設立などもあり、これからはさらに「世界の中の中野」として注目を集めていくことと思います。
そこで、中野区で交付している原動機付自転車、排気量が125cc以下のバイク等のナンバープレートを、中野区をイメージするキャラクターやモチーフを入れた中野独自のナンバープレートに変えてはいかがでしょうか。まちの中を細かく走る原付が「中野の広報車」として、広報効果も大きなナンバープレートをつけて走ることは、観光・産業振興にも大きく役立つのではないでしょうか。また、区役所をはじめ警察、郵便局、区内企業の保有する原付などにも取りつけてもらえるよう、積極的に働きかけてはいかがでしょうか。
ナンバーの形、キャラクター、図柄など図案は、区内にいる有名な漫画家やデザイン学校などもありますし、また、区民の皆さんに周知する意味でも広く公募してはいかがでしょうか。これからの中野をアピールするよい機会になると思います。ぜひ作成、交付してはいかがでしょうか。
御見解をお伺いし、私のすべての質問を終了いたします。大変にありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 小林議員の御質問にお答えいたします。
震災・防災対策施設の導入促進についてであります。震災時の一時滞在施設の設置を一定規模以上の建物に一律に求めるということは難しいと考えていますが、安全性に問題のない建物を震災時いかに有効に活用するかというのは大変重要な課題と認識しているところです。そのためどのような方策が有効であるのか、今後検討していきたいと考えているところです。
また、現在運用中の集合住宅の建築と管理に関する条例において、防災施設設置の状況に応じて規定を一部緩和することなどについても検討していきたいと考えております。
避難所について幾つかの御質問がありました。避難所生活が長期に及ぶような場合には、要援護者を含め避難者からさまざまな要望が出ることが想定されるわけでありますので、医師会等の関係団体や専門ボランティア等の協力も得ながら、保健師や栄養士等を適宜・適切に避難所に派遣するようにしていきたい、このように考えております。
また、障害者の施設などで、その施設を避難所として使うことができないかといったお声があるということも承知をしているところです。今後、避難所のあり方、また二次避難所の開設の仕方等を検討していく中で、そうしたことも課題に検討していきたいと考えております。
それから、妊婦や乳幼児の専用施設の設置であります。多くの避難所では、災害時要援護者用の避難スペースを設けております。避難者が少ない場合には、妊婦や乳幼児の専用室を指定するなどの対応が可能だと考えておりますが、避難者が多い場合には、要援護者用の部屋に避難していただくことになると考えております。また、避難所での生活が困難になったといった乳幼児親子等については、避難所では十分に対応できないような場合、乳幼児親子を対象とした二次避難所を開設して救援・救護活動を行っていきたい、このような考え方で進めております。
それから、被災孤児、被災乳幼児親子等を受け入れ対象としている乳幼児対象施設の二次避難所は、現在25カ所を指定しております。そのうち保育園については、区立と民営を合わせて13園を指定しております。二次避難所につきましては、被害の状況を見て、被災者の多い地域の施設を開設することを考えておりまして、保育園については、おおむね各区民活動センター区域当たり1カ所程度を指定していますが、この考え方についても、今後検証していきたいと考えております。
それから、スタンドパイプの導入・活用についてであります。震災時の延焼火災につきましては、ライフラインが機能しない場合にも防火水槽やプールの水などを使用して消火活動ができ、消火能力も高い軽可搬ポンプの活用が最も効果的であると考えております。消火栓から取水が可能なスタンドパイプにつきましても、初期消火における扱いやすさなどが認められるところなので、東京消防庁とも協議しながら、どのような活用ができるのか検討を進めてまいります。
また、スタンドパイプを導入する場合には、火災危険度の高い地域などを考慮して、導入について検討していきたいと思っております。
それから、施設の非構造部材の耐震対策についての御質問もありました。学校を含みます区有施設につきまして、毎年、施設管理者の点検報告に基づいて、建築、電気、機械の施設の専門職員が安全点検を行っております。震災直後も各施設の天井板、それから照明施設の落下、空調機の設置状況など、19項目にわたって安全性についての調査を行いました。そして緊急度に応じて必要な改修を行ってきました。窓ガラスにつきましても、今年度、飛散等防止対策の実施状況調査を行い、その結果に基づいて対策実施に向けた事業化を検討しているところであります。23年度は、大規模空間を有する施設の調査を行い、もみじ山文化センター大ホール天井の暫定補強を行うとともに、本庁舎の1階ホールや、この本会議場の天井については本格的補強を行ったところであります。
私からは以上です。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、建築行政についての御質問にお答えいたします。
まず、まちなみ誘導型地区計画の導入についてでございます。建てかえ誘導に当たっては、前面道路幅員の問題や、道路の取りつけなどさまざまな問題があり、御指摘のまちなみ誘導型地区計画も一つの手法と考えているところでございます。今後、まちづくりを進める中で地区の状況を勘案し、活用について検討してまいりたいと考えております。
次に、容積率移転の適用についてという御質問をいただいております。容積率移転が可能となる特定容積率適用地区は、道路等の公共施設の整備水準が高く、法定容積率を上回る容積率で建物利用を行っても支障がない区域で定めることが望ましく、また、狭小な敷地への容積の移転は環境の悪化をもたらすおそれがあるため適当ではないとされております。容積率移転につきましては、さまざまな条件から区内に適用するのはハードルが高いと思いますが、今後、中野駅周辺などまちづくりを進める中で、さまざまな手法の一つとして検討しながら、よりよいまちづくりを進めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。
次に、耐震改修工事のトラブル防止についての御質問をいただいております。これまでも、あたかも区から依頼を受けたかのような説明をして、耐震改修工事を請け負うと説明する業者があるとの情報があり、区としてもホームページ等で注意を喚起するとともに、契約のトラブル等に関しては、消費生活センター等を紹介しているところでございます。御指摘のような悪質な業者等の氏名の公表につきましては、公表を行う東京都と連携して対応するとともに、耐震改修工事等を依頼する際のさまざまな注意点を説明したチラシの配布による啓発活動などを行い、対策を講じてまいります。さらには、区登録の耐震改修施工者の一層の周知、活用に向けた方策の検討を行うとともに、建築の専門家団体との連携強化なども取り組んでまいりたいと考えております。
次に、不燃化特区における民間事業者の参画についての御質問でございます。都市再生機構は、都市再生のための整備を行う権限が付与されており、基盤整備を行う事業体として位置付けられているところでございます。基盤整備に係る豊富な技術力、組織力を活用してまちづくりが円滑に進むことが期待できるところでございます。また同様に、専門性を有する民間事業者の参画は、その経験とノウハウをまちづくりに生かせることが期待されるものでございます。このような参画を得て、不燃化特区におけるまちづくりに取り組んでまいる考えでございます。
以上でございます。
〔健康福祉部長田中政之登壇〕
○健康福祉部長(田中政之) 私からは、就労支援事業についての御質問にお答えいたします。
まず、ハローワーク窓口の成果についてでございます。区は、ハローワークと協定を結びまして、生活保護受給者などに一体的な就労支援を行うため、平成24年2月から中野就職サポート事業を開始したところでございます。2月から8月までで、中野就職サポート事業による就職者は83人でございまして、就労支援事業全体の就職者のおよそ35%でございます。
次に、就労支援員についてでございます。区の就労支援員は、ハローワークや他の自治体で就労に関する相談や指導に従事した経験のある者を非常勤職員として配置しているものでございます。業務内容につきましては、生活保護受給者や離職者支援住宅手当受給者などを対象にいたしまして、就労に関する相談、情報の提供、履歴書や職務経歴書の書き方や採用面接の受け方の指導など、一人ひとりの課題に合った支援を行っているところでございます。
次に、就労意欲喚起事業についてでございます。現在、生活援護担当では、就労支援員とハローワークナビゲーター、ケースワーカーが連携いたしまして、さまざまな課題によってすぐに就労につくことが難しい方に対しましても、継続的な面接相談を行いながら、御本人に合った就職先が見つかるように支援を行っているところでございます。また障害福祉担当では、一般就労が困難な障害者が当事者の意向や能力に応じた適切な支援が受けられるよう、ケースワーカーや保健師、中野区障害者福祉事業団のジョブコーチ等が連携をいたしまして、障害者就労支援事業所等、福祉的就労の場を紹介しているところでございます。今後も一人ひとりの課題に合わせ、就労意欲を喚起できるような支援に取り組んでまいります。
それから、就労支援を促進する体制の整備についての御質問がございました。現在、区におきましては、中野就職サポート事業におきまして、障害福祉担当、子育て支援担当が連携して取り組んでいるところでございます。今後は産業振興担当など就労支援にかかわりのある部署とも情報の共有化を図りながら、どういった支援が考えられるか検討していきたいと考えてございます。また、社会福祉協議会、シルバー人材センターなど関係機関との連携につきましても、こうした検討の中で考えていきたいと思っているところでございます。
私からは以上でございます。
〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕
○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、地域支えあいの推進に関連した幾つかのお尋ねにお答えいたします。
まず、見守り対象者名簿と災害時要援護者名簿の二つの名簿の活用方法についてでございます。日常的な見守り活動によるさまざまな情報が、災害発生時の救援活動の際にも効果的に生かされることが見込まれます。このため、現時点においては区では両名簿を統一的に運用していくためのさまざまな課題の整理を行っているところでございます。今後は運用の具体化に向けまして、見守り・支えあい名簿を活用している町会・自治会、要援護者名簿を活用している地域防災会、また両名簿の統一的な運用管理に当たる区といったそれぞれの役割などを再整理する一方で、地域全体として活用する仕組みや、個々の地域の動きにも着目しながら、より効果的な活用が図れるよう取り組んでまいります。
次に、見守り対象者名簿につきまして、未活用の町会・自治会への事例紹介の機会の確保についてお尋ねがございました。現在、既に各すこやか福祉センター単位で、一部ではございますけれども、町会・自治会を対象とした事例発表会や勉強会を行っているところでございます。今後は、すこやか福祉センターのエリアを超えた情報交換の機会も設けてまいりたいと考えてございます。
それから、すこやか福祉センター職員の人材育成や機能強化についてのお尋ねがございました。すこやか福祉センターに勤務する職員は、今後、より専門性の向上やスキルアップを目指し、エキスパート職員認定制度による高齢・障害・子どもを対象といたしました総合福祉相談などに対応し得る人材育成に努めてまいります。また、専門知識やスキル・経験を兼ね備えた職員の人材活用も図ってまいりたいと考えてございます。こうした人材活用や人材育成に当たりましては、コミュニティソーシャルワーカーとしての役割など、御紹介いただいた事例も参考に研究してまいります。また、すこやか福祉センターの機能強化に当たりましては、リーダーの養成も含め、さまざまな視点から組織の充実を図っていきたいと考えてございます。
以上でございます。