平成27年第4回定例会一般質問〈質問の詳細〉
これから始まる中野のまちづくりは、10年、20年、そして50年先のまちづくりを思うと、今が大切な節目になると考えています。中野のまちづくりを平面的だけではなく立体的に行うには、建物を中心としたまちづくりだけではなく、これからも中野に暮らし続けていくための住まい方、暮らし方、生活の仕方などにも視点を当てることが重要と考えます。
そこで、中野駅周辺をはじめとするまちづくり、子育てのまちづくり、健康・福祉のまちづくり、地域を支えるまちづくりなどの視点から質問をしてまいります。
1、中野のまちづくりについて
初めに、国家戦略特区の規制緩和の中の中野区グローバル戦略のまちづくりについてお伺いいたします。
さきの決算特別委員会でも提案しましたが、東京における政治や経済の中心・重心は山手線を中心にした東部地域にあり、新宿より西側の地域は重心から大きく外れた位置にあるという印象を持ちます。しかし、中野は、西部地域に伸びる出発点であり、影響力、発信力を持つべき場所であり、大きなポテンシャルを秘めていると考えます。中央線沿線を軸とした経済や文化活動を繰り広げる「東京西部中央線都市圏」、「東京オレンジライン・プラン」として新たな顔を中野区がリードし形成していくような構想をつくり上げてはどうかとの質問に対し、区長からは、「中央線沿線から多摩にかけて一つの経済圏を発展させていくことが重要と思う。職住近接型のまちづくりを進めながら、さらに利便性の高い中央線で結ばれる地域間の連携を模索したい」との答弁をいただきました。中野から西へ、杉並、吉祥寺、三鷹、そして立川へと続くエリアの新たなにぎわいの核としていくまちづくりが重要と考えます。他自治体にないものを中野で、他自治体にあるものはその自治体にと、自治体間での共有と役割分担をし合うこともこれからの時代に特に重要と考えます。
そこで、閉会中の建設委員会で、中野区グローバル戦略推進会議においてグローバル都市戦略のたたき台が示されたと聞いています。そこで、中央線沿線を軸とした東京西部都市圏における自治体間の文化・産業連携を構築していくことが述べられていますが、どのようなお考えでしょうか。お伺いいたします。
次に、区役所・サンプラザ地区再整備に伴うまちづくりについてお伺いいたします。
広域連携を図ることで、ますます中野の拠点としての役割が重要になってきます。中野は、オタクの聖地ブロードウェイ、漫画のまち、ICTコンテンツなどの産業発信のまちとして知られ、交通の面でも中央環状品川線の開通により羽田から30分程度の場所となりました。これからのまちづくりは、中野を中心として、「ヒト、モノ、カネ、文化、芸術、情報、交通」とありとあらゆるものが東京の真ん中、中野で交わり、交差し、にぎわいと活力を生み出し、発信し合う、いわば「中野クロス」といったコンセプトのもとに進めてはどうかと考えます。その核となるものが区役所・サンプラザ地区再整備であります。東京西部都市圏の中心となる施設であるだけにどのような機能を盛り込むべきか、民間企業の提案だけでなく、区の意向を反映させるべく、しっかりと検討を進めていただきたいと考えます。
まず確認したいことは、区の関与です。民間活力を活用した整備や運営と聞いています。現時点ではまだ具体的な整備手法や運営方法が決まっているわけではないと思いますが、施設の運営に当たっては、収益が上がらないなどリスクはつきものです。そうしたリスクに対して区はどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。
首都圏各地をはじめ、都心からホール機能を有した施設の閉鎖や改修による休館が相次ぎ、コンサートや演劇を興行するプロモーターは「2016年問題」として頭を悩まされていると聞きます。区は、こうした時期に中野サンプラザを新たな施設へと整備することを計画していますが、そうした他の施設の状況を把握・分析しているのでしょうか、お伺いをいたします。
東京西部中央線都市圏、東京オレンジライン・プランとして新たな顔の中心として、集客力と発信力のあるホール、アリーナ施設を整備していただきたいと考えます。
次に、中野の文化・芸術・産業の拠点整備についてお伺いをいたします。
施設の整備にあわせて取り組むべきは、中野の魅力を増幅させ、中野ならではコンテンツの発信であると思います。中野区は、他の区に例のない「生の芸術 アール・ブリュット」があります。このアール・ブリュットは、中野において以前からサンモール商店街やブロードウェイ、野方商店街などで「まちなかアート」として展示を行い、まちを挙げてすばらしい芸術振興に取り組んできています。東京都知事もアール・ブリュット振興に取り組むことを表明しており、中野以外の自治体でもアール・ブリュット展を積極的に開催し、誘致などを始めています。
そこで、グローバル都市にふさわしい中野を代表する発信力のアール・ブリュット振興に中野はもっと取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
地方創生の先駆け、ボーダレスな社会を築く象徴的な芸術であり、中野らしい集客施設による、「降りてみたくなるまち中野、降りたくなるまち中野」を築くことがこれからのまちづくりのキーワードの一つとなると考えます。
この項の2番目に、国家戦略特区の規制緩和策の中で滞在施設の旅館業法の適用除外、民泊についてお伺いいたします。
拠点の活性化に当たっては、来街者の滞在時間をいかに延ばすかが鍵になってくると思います。これまで国家戦略特区における滞在施設の旅館業法の適用除外、いわゆる民泊については何度か質疑をしてきました。都内ではここに来まして、大田区に続き品川区、また大阪や神奈川でも民泊を活用し、宿泊施設不足の解消をしようという動きが活発化してきました。中野では、一般的にあまり知られていませんが、海外から注目されるバックパッカー向けの宿泊施設があります。この事業をモデルとして、海外からの観光客を受け入れる民泊を誘導できないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
民泊については、受け皿確保の一方で、多くの地域で既に法律に抵触するような民泊が横行し始めています。また、インターネットを通じてさまざまな手法で宿泊客の争奪やそこに取り巻く事業展開も始まっています。地域における安全・安心の確保が課題となっています。これについては、区はどのような認識を持っているのでしょうか。また、それらの対処策としてはどのようなことを考えられるのでしょうか。お伺いいたします。
中野を、外国から来る方々が便利で気軽に訪れ、楽しむことのできるバックパッカーの聖地にしてはいかがでしょうか。しかし、住居系地域での展開は中野の閑静なまちを脅かし、中野らしいとは考えられません。警察、保健所などでの旅館業法による講習を受けるなど、関係団体からも理解が得られるような仕組みづくりとあわせて運営することを望みます。
この項3番目に、街並み誘導型地区計画の導入についてお伺いをいたします。
中野駅南口地区では、公社住宅の建てかえを皮切りに、いよいよ中野二丁目再開発が始まろうとしています。中野駅南口地区まちづくり方針に、B地区とされている駅前商店街を中心とした地区は「駅からの連続したにぎわいと魅力的な商店街の形成を図るため、協調建替え等により、商業・業務機能を誘導するとともに、安全で快適な歩行者空間の創出を図る」とあります。そこで、中野二丁目再開発地区に隣接するB地区でもまちづくりを面的に立体的に促進すべきと考えます。例えば、中央区では、歩行者空間を広げるとともに、斜線制限を緩和してまち並みを整備する新しいルールをつくっています。中野区でもB地区で地元の商店街や町会の意向を把握し調整した上でまち並み誘導型地区計画を策定し、新たなまちづくりを行うべきと考えます。B地区で具体的にどのようなまちづくりを区は考えているのでしょうか。その際に新たな制度、街並み誘導型地区計画なども検討に値するのではないでしょうか。お伺いをいたします。
区は、駅周辺や弥生町三丁目、大和町、そして西武線沿線でまちづくりを進めていますが、離れた地域同士でも容積率の移転を行える大胆な空中権の制度を導入するなど、新たな都市計画制度が役立つと考えますが、いかがお考えでしょうか。
この項4番目に、「子育てのしやすいまち 中野」についてお伺いいたします。
中野駅周辺のまちづくりが進むにつれて、区内はもとより区外からも通勤圏である中野駅に集まってくる方々がふえ、さらに利便性が高まる場所になると考えます。
そこで、私は昨年来より、中野駅南口の東京都住宅供給公社中野駅前住宅の建てかえ計画が進む中、多様な世帯の入居や駅前としての利便性から、子育て支援の施設併設を中野区が地元自治体として住宅供給公社及び事業者へ提案するとともに連携を行うよう要望をしてきました。先日、公社は入居者に対して事業計画予定の説明会を開催し、今後の予定は、基本設計・実施設計が行われた後、平成29年度からは建設工事が始まるとしています。視察で伺った愛知県一宮市では、尾張一宮駅に併設した子育て施設や図書館など交流・育成施設があり、多くの方々が駅や駅前に来た折に利用していると聞きました。中野駅前住宅の建てかえにおいて、例えば、保育園、病児・病後児保育室、一時保育など、すき間を埋め助け合う保育事業の展開、児童館等の施設や異世代交流や相談の機能を有する施設など、他区に例のない特色ある子育て支援施設を公社に併設できるよう、地元自治体として住宅供給公社に提案・誘導するよう改めて要望してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
子育て支援については我が会派でたびたび取り上げてきましたが、「子育てのしやすいまち 中野」としていくために相談窓口の充実も欠かせません。子育て支援の充実とともに、相手のニーズに対応したきめ細かな支援で満足していただけるよう、区役所庁舎3階で行われている子ども総合相談窓口に子育てコンシェルジュを配置してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
2、健康で安心して暮らし続けられるまち なかのについて
この項初めに、区民の健康づくりと長寿社会のまちづくりについてお伺いいたします。
健康を大切な価値観として認める、いわば健康志向ニーズは、単に高齢者のみならず、子どもから青少年、高齢者、障害者など全世代にも浸透され始めています。例えば、地域の資源を活用した健康で安心して暮らし続けるまちづくりに、コミュニティ施設や地域、商店街などで空き店舗を活用することも一つのまちづくりと考えます。また、コミュニティプラザでも、全世代の多くの区民が足を運んで利用していただくきっかけや動機づけ、施設の魅力付加の一つとしてサロン交流機能の場づくりにあわせて、足湯、手湯の導入も組み入れてはいかがでしょうか。お伺いをいたします。
健康づくりとして、声に出す運動・発声カラオケ健康づくりと捉え直して、健康体操などの簡易エクササイズとともに、例えば、身近で気軽に利用のできる場所でもある区内16カ所の高齢者会館や社会福祉協議会で展開している約30カ所のまちなかサロンなどを整備・活用してはいかがでしょうか。お伺いをいたします。こうした取り組みが、普段は利用したことのない区民にも「行ってみようか」という動機づけ、インセンティブにもなり、利用者拡大の効果にもつながると期待もできると思います。
新たな10か年計画素案の中で健康寿命を10年で1歳延ばすという消極的な目標ではなく、2歳、3歳と延ばす取り組みを行うべきと考えます。そのためにもっと現状分析をしっかり行い、総合力で延ばす取り組みを行うべきと考えます。例えば、介護予防事業に参加する人はふえているものの、要支援の認定率は上がり、平均寿命が延びるほどには健康寿命は延びていません。つまり、不健康な人がふえていることになります。ここに着目し、窓口で肌で感じている職員と担当職員、有識者とが分析・検討し合って新たな事業展開を行うことも重要と考えます。新たな10か年計画素案で健康寿命を延ばすための目標値を高く掲げ、庁内の総合力を持って延ばす努力をすべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
次に、スマート・ウエルネス・コミュニティ(SWC)についてお伺いをいたします。
中野区は、23区の中で最初に、区民の健康増進を図るため、スマート・ウエルネス・コミュニティ協議会に参加しました。一般に健康づくりやスポーツ実践・関心層が30%、健康無関心層が70%と言われています。この70%の区民に、介護予防の観点も含め、日常での健康づくりやスポーツ活動にどのように働きかけ、実践に結びつけていくのかがスマート・ウエルネス・コミュニティ協議会での大きなテーマの一つです。例えば、日常的なウオーキングによる健康ポイントをスマートフォンや携帯電話のアプリといったICTを活用して実証実験を進めている自治体もあります。健康データとあわせてとりながらエビデンスとして、区民一人ひとりの運動評価、振り返り、さらに生かすといった健康価値を重視した好循環の健康づくりの仕組みが求められていると考えます。このことは、国民健康保険や協会けんぽなどに加入している区民の疾病予防や医療費の低減などにも大きく貢献すると考えます。
そこで、10か年計画素案に照らしても、健康づくり施策は関連する部や分野が協働して新たな事業展開のきっかけとしてさらに力強く推進していくべき大事な施策領域であり、SWCでの研究・検討の内容を区として新たな施策展開に生かしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
3、地域支援について
この項初めに、地域支えあいネットワークについてお伺いをいたします。
新たなまちづくりで重要なことの一つに、町会・自治会を支えてくださっている皆さん方を支えることと考えます。町会・自治会の皆さんが区から名簿の提供を受け、民生児童委員や区と協力して取り組んできた地域支えあいネットワークの開始から4年が経過しました。各町会の取り組みをまとめたすばらしい事例集を通し、地域の皆さんの中に見守り・支えあいが根付いてきたと考えます。しかし、町会の皆さんの中には、なぜ見守り・支えあいを行わなくてはいけないのかと重く受けとめ、見守りの動きが鈍っている方もいます。また、自身の年齢や体調不良により負担を感じ始めている方もいます。地域支えあい活動とは、見守り活動と日常生活を支援する活動の二つからなり、できることから少しずつ行っていくことが本来の出発点でありました。見守り方は地域・町会によって仕方の違いがあってよいと考えます。しかし、地域による取り組みに差が出始めていることに対し、これまでの取り組みの総括と今後の取り組みについて検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
町会・自治会の皆さんが地域の民生児童委員や区と協力して取り組んできた地域支えあいネットワークを、今、原点に立ち戻り、中野らしくさらに発展させていくことが重要と考えます。民生児童委員の皆さんが行っている取り組みと重複しない形で警察署、消防署、ガス会社などと一緒に活動するなど、地域で工夫を凝らして気軽に行える事例をもっと多くの方に知っていただく努力も必要と考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
今後は、包括的な地域ケア体制の構築が始まり、さらに持続可能な仕組みとしていくために、その担い手の増加について積極的に取り組むことが必要と考えます。これまであまり活動にかかわってこなかった方々にも参加できるような仕組みづくりについて、区は過剰な負担とならないようしっかりと支援策を行っていくべきと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、地域包括ケアシステムと地域の担い手についてお伺いいたします。
地域包括ケアシステムは、医療と介護・福祉との連携・推進が重要な柱の一つと考えます。医療や福祉などの専門的な担い手・機関ともう一方の地域の自主的な任意の取り組み、この両者の連携も欠かせない柱と考えます。地域包括ケアシステムの構築に向け設置するという地域ケア会議も、見守り・支えあいの連携の場として位置付けることも望ましいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
地域ケア会議では、多職種、多機関による連携・協力の重要性が示されています。とりわけメンバーの中には、専門職、専門機関同士の連携のかなめとして、すこやか福祉センターはもとより、認知症疾患医療センターやかかりつけ医を含めた医療機関、地域包括支援センター、介護支援事業者など、医療と介護との間にこれまで以上に垣根のない協働が求められています。この会議のイニシアチブは、当初区が主導し、すこやか福祉センターなどが行っていくと聞いています。一定の協議の経過と蓄積、目指すべき目標と情報共有の後には医療職としての医師などがリードしていく仕組みを構築し直していくことが望ましいと考えます。
そこで、今後の会議の進め方や地域包括ケア推進プランづくり、ケア会議の効果的な活用、活性化などを含めて、区はどのように考え展望しているのでしょうか。お伺いいたします。
次に、地域の支えあいネットワークや地域包括ケアシステムにおいても重要な役割を担う町会・自治会活動への支援について、お伺いいたします。
新たなまちづくりが進む中で、人口がふえても住民自治・町会機能が薄らいでは人と人との結びつき、絆、支えあいがなくなってしまうまちになり、これまで築き上げてきた歴史ある中野のまちのよさが失われてしまうと考えます。区職員への期待が大きかった地域センター時代から運営委員会を中心とした区民活動センターへと転換が図られ、配置される区の職員が減ることになりました。地域センター時代、区職員は、日ごろから地域とかかわることでつくられた人間関係の中で地域の課題解決に向けた相談役やつなぎ役となり、町会・自治会と一緒になって支えてくださいました。しかし、現在は、町会・自治会の役員の皆さんが地域の課題を一手に背負い込むことで精神的負担感が大きいのではないかと思います。以前のように区職員が行政全般への橋渡し役として強みを発揮し、ともに動くことで負担軽減となり、地域の課題解決にも取り組めるのではないかと考えます。
そこで、区政の最前線である区民活動センターに配置されている職員が地域の人に頼りにされながら役割を発揮し、結果として町会・自治会の負担を軽減させてはいかがでしょうか。地域とのかかわりを増し、地域づくりに寄与していくための役割整理、体制充実について、区の見解をお伺いいたします。
また、地域センター時代は職員が地域の方々と触れ合うことにより人材育成の場にもなっていたと考えます。次世代を担う職員の人材育成の観点からも見直しを行ってはいかがでしょうか。お伺いをいたします。
4、建築・防災行政について
この項初めに、くい打ちデータ流用を受けての対応についてお伺いをいたします。
10月に横浜市内で大型マンションが傾いた問題をきっかけに、くい打ちデータの改ざん・偽装問題は国民の建築への信頼を大きく揺るがす社会問題となっています。中野区内でも、旭化成建材が施工したくい打ち工事は、鷺宮高校の増築工事、母子生活支援施設、南中野区民活動センター新築工事があると公表されました。また、都営白鷺一丁目アパートでも電流計のデータ流用が見つかったと聞いています。くい打ちをめぐっては、他の大手のくい製造・施工会社でもデータの流用などが発覚したことから、問題が業界全体に波及する勢いです。こうした問題はまだまだ広がると思います。今後は、国の方針等もあると思いますが、区としてどのように対応していくお考えでしょうか。お伺いをいたします。
最後に、初期消火用資機材・スタンドパイプの拡充についてお伺いいたします。
初期消火用資機材として、4年前からスタンドパイプ設置の提案をしてきました。その結果、区はスタンドパイプの配備を進め、今年度で115防災会全てにスタンドパイプの配備を完了します。一方、区は、初期消火用として既に街頭消火器6,214本、大型消火器403台を区内各所に設置していることから、今後は消火器とスタンドパイプの効果的な配置を考慮しながら初期消火用資機材の充実を図っていくことが必要であると考えます。
そこで、街頭消火器及び大型消火器はそれぞれ年間何台くらい初期消火用に使用されているのでしょうか、お伺いをいたします。
大型消火器は、重いことから火災現場での運搬が大変であり、実際には使用される機会は少ないものと考えます。そこで、大型消火器にかわりスタンドパイプなどを配備していくべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
また、全防災会にスタンドパイプを配備したことから、今後、スタンドパイプを使用した訓練を各防災会で気軽に実施できるよう案内するなど、訓練の促進を区でも図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをして、私の全ての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 小林ぜんいち議員の御質問にお答えをいたします。
中野のまちづくりに関連して、中央線沿線都市圏文化・産業連携についてであります。中央線沿線都市圏文化・産業連携は、中野区グローバル都市戦略の検討の中で打ち出した戦略の一つであり、中野駅周辺における拠点性の強化と一体的に推進することで相乗効果を狙うものと考えております。東京オリンピック・パラリンピックの開催やリニア新幹線の計画などを受け、都心部や湾岸部といった東京の東側は都市構造が大きく変わりつつあります。その一方で、東京区部の西側から多摩にかけて、これらの地域も大きな経済圏を形成しており、そのポテンシャルをさらに引き出すことが重要であると考えております。中野は、都心と多摩をつなぐ立地を生かし、中央線沿線を軸とした東京西部都市圏の広域連携においてリーダーシップを発揮し、文化振興や観光推進、新産業創出などによって圏域経済の活性化を牽引していくべきであると考えているところであります。
区役所・サンプラザ地区再整備における想定する施設の運営リスク等についてであります。区役所・サンプラザ地区再整備のコアとなる施設として大規模なアリーナの立地の可能性を検討しているところであります。アリーナは、地域社会への波及効果があり、広域性も高いと考えられますが、一般的にその収益性を確保していくことが課題と言われております。収益性を上げていくには、使われる施設、選ばれる施設として設計することに加え、運営事業者のノウハウ、施設所有やファイナンスの手法など、最適な事業スキームを構築していくことが必要であります。こうしたことは事業構築パートナーの持つ技術やノウハウに期待するところでもあり、民間活力の最大限の活用を図っていきたいと考えております。
首都圏各地のホールの状況把握についてであります。23区内の事例では、渋谷公会堂、日本青年館などが改築のために閉鎖し、また横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナでは大規模改修が行われるとの情報を得ており、コンサートや演劇の興行を行う場所が減ることが問題とされています。そうした状況を受け、中野サンプラザホールの稼働率が高まっていることも把握しているところであります。近年、音楽市場の中でもコンサートなど公演のニーズが拡大しつつあり、各地のホールの閉鎖問題だけでなく、市場の変化もサンプラザホールの稼働に影響していると見ているところであります。区役所・サンプラザ地区再整備におけるホール施設等の検討に当たりましては、今後もこうした市場動向を十分に把握し、分析をしていきたいと考えております。中・長期の分析、そうしたことにもしっかりと意を用いてまいりたいと思います。
アール・ブリュット振興についてであります。区内では、障害者の芸術活動について、国の助成事業を活用するなど活発に行われているところであります。そうした中から生まれてくる芸術、アール・ブリュットについて、福祉団体、商店街、企業など裾野の広い支援、取り組みが行われているところであります。表現・文化活動の推進は中野の都市活動にとって重要なものであり、アール・ブリュットは貴重な芸術コンテンツだと考えております。都市観光サイト「まるっと中野」における情報発信や各種団体に対する情報提供などを通じ、アール・ブリュットの振興を支援していきたいと考えております。
国家戦略特区を活用した民泊の誘導についてであります。近年、訪日外国人観光旅行客が増加し、受け皿となる滞在施設の不足が見込まれる中、住宅等の空き部屋を活用して滞在施設を確保しようとする動きが見られます。国家戦略特区の外国人滞在施設経営事業、いわゆる民泊の制度活用によって良好な滞在施設を誘導することは、外国人受け入れ環境の整備とともに、海外からの誘客や滞在期間の延伸、それに伴う地域での消費拡大が期待されるところから、その活用について区としても検討をしているところであります。一方で、不特定多数の旅行客が利用することによる近隣住民の不安解消やごみ出し、騒音等に係る環境の確保など、各種の課題があるということも認識をしているところであります。導入の検討に当たっては、条例によって滞在日数や立ち入り権限を規定することに加え、運営事業者の責務の明確化や警察、消防等、関係機関との連絡を密にするなど、治安面、衛生面の確保を図る対応策、これを考えていくことが重要であると考えております。
地区整備計画の検討に関連してであります。御指摘がありましたとおり、中野駅南口地区まちづくり方針では、ファミリーロードなど駅前商店街を中心としたB地区は、駅からの連続したにぎわいと魅力的な商店街の形成を図るため、協調建替え等により、商業、業務機能を誘導するとともに、安全で快適な歩行者空間を図るとしているところであります。また、中野駅南口地区地区計画においてもB地区は同様の土地利用の方針を掲げ、今後具体的に地区整備計画を定めることとしております。これまでも中野南口駅前商店街とはまちづくりに関する勉強会や意見交換会を開催してまいりました。今後、権利者の意向を踏まえつつ、御提案のような街並み誘導型地区計画なども含め、地区整備計画を検討していきたいと考えております。
新たな都市計画制度の活用について。隣接していない敷地同士の容積率の移転を行うことができる特例容積率適用区域制度については、東京都が指定する都心部のごく限られた地域のみでの適用となっており、新たな指定の見込みも現在ないところから、中野区内での適用は困難であるという現状となっております。まちづくりに資する総合設計制度や高度利用地区の指定などの都市開発諸制度については、まちづくりの進捗や制度の適用条件などを考慮しながら活用を図っていきたいと考えております。
中野駅前公社住宅の建てかえに関連してであります。中野二丁目地区市街地再開発事業による中野駅前公社住宅の建てかえに当たり、区としてどのような施設を誘導していくべきなのか、子育て支援施設を含め検討を行っているところであります。そうした中、この地域にふさわしい需要といったようなものを見極め、要望をしていきたいと考えております。
子ども総合相談窓口へのコンシェルジュの配置についてであります。子育て支援を一層推進していくためには子ども総合相談窓口の充実が必要であるため、保育や子育てサービスなどに精通した職員を子育てコンシェルジュとして配置し、これまで以上にきめ細やかな相談や情報提供などの対応を行っていきたいと考えているところであります。
サロン交流機能としての足湯、手湯の導入についてであります。スポーツ・コミュニティプラザは、健康づくり、スポーツを通じた地域住民の交流拠点として開設したものであり、全世代の多くの区民が来館して交流し合う機能が必要であります。足湯、手湯の導入については、サロン交流機能の一つとして、経費の面あるいは衛生管理面なども含め、今後研究をしてまいります。
身近な場所でのカラオケ健康づくりについてであります。高齢者会館事業としてカラオケを活用した事業を取り入れている館もあり、健康・生きがいづくりの場、機会として多くの参加者が見られます。誰もがなじみやすいカラオケをツールとした健康づくり、介護予防の取り組みについて、今後積極的な展開を検討していきたいと考えております。
10か年計画の健康寿命の目標値と取り組みについてであります。10か年計画素案における健康寿命の指標については、今後10年間で日本人の平均寿命がおおむね1歳延びるとの国の推計を踏まえて、健康寿命も1歳延ばそうということであります。この指標についてはさらに検討を深め、健康長寿の取り組みを推進してまいります。
スマート・ウエルネス・コミュニティについて。健康無関心層への取り組みが健康長寿の達成や社会保障費の抑制において極めて重要な要素であることは認識をしているところであります。区も加入をしておりますスマート・ウエルネス・コミュニティ協議会での研究・検討内容も活用しつつ、区の中で関連する部間で検討をし、健康長寿に資する健康づくり施策を総合的に検討してまいります。
私からは以上です。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、地域支援についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
まず、地域支えあい活動の総括ということでございますが、地域の見守り・支えあい活動の推進に当たり、区ではこれまで見守り対象者名簿の利用拡大に取り組み、約8割の町会・自治会へ名簿を提供するに至ってございます。今後は、名簿の普及とともに、地域の活動への参加者の拡大など、活動内容の充実のための取り組みや支援策、これを強化してまいりたいというふうに考えてございます。
地域ごとの工夫ある活動事例の紹介という御質問でございました。区では、地域の支えあい活動の取り組みを事例集にまとめまして各地域へ紹介してきたところでございます。今後も、事例集のほか、地域の支えあいネットワークの会議や取り組み事例の発表会など、さまざまな機会を捉えまして、紹介や経験交流など情報の発信に努めてまいりたいというふうに思ってございます。
支えあいの活動の担い手の発掘という御質問でございました。この活動の主体であります町会・自治会が抱える担い手不足等の課題の解決を図るため、区としましては、町会・自治会への加入促進の取り組みに力を入れているところでございます。また、見守り・支えあい活動などに取り組む町会・自治会の役割や意義を地域の方々に御紹介するとともに、例えば、誰でもできる見守りガイドなどを作成いたしまして、新たな活動参加者の獲得を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
次に、地域ケア会議について、2点御質問がございました。
まず、地域ケア会議を通じた見守り・支えあい活動の推進というところの御質問でございます。すこやか福祉センターごとの地域ケア会議では、地域の見守り・支えあい活動と医療・介護との連携の強化を目指しております。中野区医師会からも地域包括支援センター協力医などの参加を得るなど、地域での具体的な連携のあり方について協議を進めているところでございます。
次に、医療介護の連携というところでございます。
地域ケア会議に期待する機能・役割といたしましては、事例ごとの個別課題の解決を通じた地域のネットワーク構築、さらには資源開発などの地域づくり、地域力の向上、これと新たな施策形成に寄与することというふうに考えてございます。すこやか地域ケア会議と中野区地域包括ケア推進会議の2層の会議を通じまして、行政や医療・介護、それから地域の役割、これらを踏まえました連携体制の強化を図っていきたいというふうに考えてございます。
次に、町会・自治会の支援のための区民活動センターの職員についての御質問でございました。地域の支えあいを推進するため区民活動センターに配置をしております職員につきましては、要支援者への訪問活動など地域の実態や実情の把握に努めているところでございます。このほか、区民活動センターの職員につきましては、地域への働きかけや調整、区との連絡調整などの役割を担っております。今後、町会・自治会など区と地域との橋渡し、団体間の橋渡しなど、地域づくりのためのコーディネートの役割を強化してまいりたいというふうに考えてございます。
最後に、この区民活動センターの配置職員、これを人材育成の観点で見てはどうかという御質問でございました。地域と直接かかわりを持つ区民活動センター等での勤務経験は基礎的自治体の職員にとって大切なものであるというふうに認識してございます。今後は、一定の経験年数に達した職員のローテーション職場に位置付けるなど、人材育成を考慮した人事配置を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 建築防災行政についての御質問にお答えをいたします。
まず、くい打ちデータ流用への今後の対応についてでございます。データの流用があった区の施設につきましては、ボーリング調査や施工事業者からの施工報告書の再点検を行い、安全性能を有していることを確認しております。安全性能の確認結果は、区の建築水準の確認の後、その内容を国土交通省に報告しているところでございます。今後、民間等の建築物から相談があった場合は、国や都と連携して技術的な指導を行い、解決を図っていく考えでございます。
次に、街頭消火器等の使用状況についての御質問がございました。過去4年間を確認した結果、街頭消火器につきましては年間平均8本使用されております。大型消火器につきましては、初期消火に使用された実績はございません。
次に、大型消火器を他の初期消火用機材に変更することについての御質問でございます。大型消火器は、重量が40キロ以上と重く迅速な運搬が難しいことから、今後も使用される可能性は少ないと考えております。大型消火器は原則として廃止することとし、補完手段としてスタンドパイプや街頭消火器を拡充していく考えでおります。
区によるスタンドパイプ訓練の促進についての御質問でございます。区では、消防署と連携し、区民にスタンドパイプの訓練を実施してまいりました。今後も消防署と連携した訓練実施を図るとともに、防災会連絡会や避難所運営会議などの機会を捉え、スタンドパイプのさらなる周知と訓練の促進を図ってまいる考えでございます。